チュートリアル
シーケンス動作(シーケンス5:PROGram)
本製品には5つの異なるトリガサブシステム(TRANsient、SYNChronize、ACQuire、SIMulation、PROGram)があります。通常、SCPI仕様では各トリガサブシステムを番号付けされたトリガシーケンスとして分類するので、それぞれSEQuence1~SEQuence5にマップされています。
シーケンス5(PROGram)グループはPCR-LEのシーケンス動作を実行します。
ステップとシーケンス条件の設定
最初にステップを設定します。
PROG:EDITコマンドで、設定するステップ番号、周波数変化特性、周波数、AC電圧変化特性、AC電圧、DC電圧変化特性、DC電圧、ステップ実行時間、波形バンク番号、ステータス出力、トリガ出力、トリガ入力、出力オン/オフを設定します。
:PROGram:Edit 1,OFF,50HZ,OFF,100V,OFF,0V,10S,0,OFF,ON,OFF,ON 'ステップ1の設定
:PROGram:Edit 2,OFF,60HZ,ON,200V,OFF,0V,1MIN,1,OFF,OFF,OFF,ON 'ステップ2の設定
:PROGram:Edit 3,ON,400HZ,ON,230V,OFF,50V,1HR,2,ON,OFF,OFF,ON 'ステップ3の設定
次にシーケンス条件を設定します。
:PROGram:STEP:STARt 1 '開始ステップ番号の設定
:PROGram:STEP:END 3 '終了ステップ番号の設定
:PROGram:LOOP 10 '繰り返し回数の設定
設定が終了したらシーケンス動作を実行します。
シーケンス動作の実行
以下のコマンドを送信すると、シーケンス動作が実行します。
シーケンス動作の実行状態を問い合わせできます。
実行状態(STOP:停止中、RUN:実行中、PAUSE:一時停止中)、ステップ経過時間、繰り返し回数、ステップ番号をカンマ区切りで返します。
途中でシーケンス動作を停止する場合には以下のコマンドを送信します。
シーケンス動作をトリガを使用して実行できます。
トリガを使用した実行
TRIGger:SEQuence5(またはTRIGger:PROGram)サブシステムを使用すると、シーケンス動作をトリガで同期させることができます。
シーケンス動作では、3つの状態(IDLE状態、INITiated状態、WTG状態)があります。→詳しく見る
すぐにシーケンス動作を開始するにはトリガソースにIMMediateを選択して、INITiateコマンドを使用します。
:TRIGger:SEQuence5:SOURce IMMediate 'トリガソースをIMMに設定
:INITiate:SEQuence5 'シーケンス5のイニシエート。シーケンス動作が開始
シーケンス5グループをソフトウェアトリガで測定開始させる場合には、トリガソースを BUS に変更します。
:TRIGger:SEQuence5:SOURce BUS 'トリガソースをBUSに設定
:INITiate:SEQuence5 'シーケンス5のイニシエート
:TRIGger:SEQuence5 'シーケンス5にソフトウェアトリガを与える。シーケンス動作が開始
TRIGger:SEQuence5:SOURceコマンドはトリガソースをBUSまたはIMMediateに設定します。INITiate:SEQuence5はTRIGgerサブシステムをIDLE状態から抜けてトリガ機能を開始(イニシエート)します。
トリガソースがIMMediateに設定されている場合には、ただちにシーケンス動作を開始します。トリガソースが BUS に設定されている場合には、TRIGgerサブシステムはWTG(Waiting For Trigger)状態になります。TRIGger:SEQuence5または*TRGコマンドによってソフトウェアトリガが与えられると、シーケンス動作が実行されます。シーケンス動作が完了すると、TRIGgerサブシステムは再びIDLE状態に戻ります。WTG状態やシーケンス実行中に、ABORtまたは同等なコマンドが送信されると、シーケンス動作はキャンセルされてTRIGgerサブシステムはIDLE 状態に戻ります。
TRIGger:SEQuence5:IMMediateはシーケンス5グループに対してのみソフトウェアトリガを与えます。
*TRGコマンド、またはIEEE488.1 get(Group Execute Trigger)コマンドも同じ目的で使用できます。このコマンドはすべてのシーケンスグループにソフトウェアトリガを与えるので、イニシエート状態のほかのシーケンスグループがあれば、同時にシーケンス動作を実行します。