交流電源 PCR-LEシリーズ

交流電源 PCR-LE2シリーズ

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チュートリアル

測定(シーケンス3:ACQuire)

本製品には5つの異なるトリガサブシステム(TRANsient、SYNChronize、ACQuire、SIMulation、PROGram)があります。通常、SCPI仕様では各トリガサブシステムを番号付けされたトリガシーケンスとして分類するので、それぞれSEQuence1~SEQuence5にマップされています。

シーケンス3(ACQuire)グループは測定するトリガサブシステムです。電圧値、電流値、電力値を測定します。

測定には簡易測定と上級測定があります。

簡易測定

本製品には、電圧、電流、電力の測定データを返す機能があります。最も簡単な測定方法は、MEASureコマンドを使用します。

MEASureコマンドは新規測定を開始します。毎回新規測定を開始するため、複数項目の測定では同時性が失われます。「上級測定」で説明する測定方法は、測定の開始動作とデータ照会動作を分離できます。

電圧/電流の測定

ACモードでは、AC測定のクエリを使用します。

:MEASure:VOLTage:AC?    'AC電圧の問い合わせ

:MEASure:CURRent:AC?    'AC電流の問い合わせ

DCモードでは、DC測定のクエリを使います。

:MEASure:VOLTage:DC?    'DC電圧の問い合わせ

:MEASure:CURRent:DC?    'DC電流の問い合わせ

電流測定機能では次のような追加項目があります。

:MEASure:CURRent:AMPLitude:MAXimum?    'ピーク電流の問い合わせ

:MEASure:CURRent:AMPLitude:MAXimum:HOLD?    'ピーク電流値(ホールドされた値)の問い合わせ

:MEASure:CURRent:CREStfactor?    'クレストファクタの問い合わせ

MEASure:CURRent:AMPLitude:MAXimum:HOLDでは、本製品が電源投入されてから、または明示的にクリアされたあとの、ピーク電流の最大を照会します。ピーク電流値(ホールドされた値)をクリアするにはSENSe:CURRent:PEAK:CLEarコマンドを使います。

:SENSe:CURRent:PEAK:CLEar

*RSTまたは*RCLデフォルトでは、ピーク電流値(ホールドされた値)はクリアされません。

選択されている出力モードによって、有効な測定項目が変化します。たとえば、DC測定はACモードが選択されているときは実行できません。

電流のピーク測定およびピーク測定(ホールド値)はAC/DCどちらの出力モードでも実行できます。

通常は、1回の測定が完了するまでPCR-Mは約330 ms、PCR-LEは約110 msかかります。MEASureクエリを複数回送信すると、データの取得に長い時間がかかります。複数項目のデータを取得したい場合には、「上級測定」で説明する方法で測定してください。

本製品では、新規測定の開始とデータ照会をするREADコマンドもサポートされます。READとMEASureはエイリアスで、まったく同じ動作になります。

電力測定

ACモードでは、AC測定のクエリを使用します。

:MEASure:POWer:AC?    'AC電力(実電力)の問い合わせ

:MEASure:POWer:AC:APParent?    'AC電力(皮相電力)の問い合わせ

:MEASure:POWer:AC:REACtive?    'AC電力(無効電力)の問い合わせ

:MEASure:POWer:AC:PFACtor?    'AC電力の力率の問い合わせ

DCモードでは、DC測定のクエリを使います。

:MEASure:POWer:DC?     'DC電力の問い合わせ

上級測定

上級測定では、 測定の開始とデータ照会を分離して制御できます。

状態

シーケンス動作では、3つの状態(IDLE状態、INITiated状態、WTG状態)があります。→詳しく見る

 

電圧/電流/電力測定

新規測定を開始するにはトリガソースにIMMediateを選択して、INITiateコマンドを使用します。

:TRIGger:SEQuence3:SOURce IMMediate    'トリガソースをIMMに設定

:INITiate:SEQuence3    'シーケンス3のイニシエート

シーケンス 3 グループをソフトウェアトリガで測定開始させる場合には、トリガソースを BUS に変更します。

:TRIGger:SEQuence3:SOURce BUS    'トリガソースをBUSに設定

:INITiate:SEQuence3    'シーケンス3のイニシエート

:TRIGger:SEQuence3    'シーケンス3にソフトウェアトリガを与える

測定が完了すると、測定データは FETCh クエリコマンドで取得できます。

:FETCh:VOLTage:AC?    'AC電圧の問い合わせ

:FETCh:CURRent:AC?    'AC電流の問い合わせ

:FETCh:POWer:AC?    'AC電力(実電力)の問い合わせ

:FETCh:POWer:AC:APParent?     'AC電力(皮相電力)の問い合わせ

測定が完了する前にFETChコマンドを送信すると、正しい測定データが取得されません。*OPCコマンドを使用すると、正しい測定データが取得できます。 ->詳しく見る

:INITiate:SEQuence3*OPC    'シーケンス3をイニシエートして測定完了まで待つ

TRIGger:SEQuence3:SOURce コマンドはトリガソースを BUS または IMMediate に設定します。 INITiate:SEQuence3 はTRIGgerサブシステムを IDLE 状態から抜けてトリガ機能を開始(イニシエート)します。

トリガソースが IMMediate に設定されている場合には、ただちに測定動作を開始します。トリガソースが BUS に設定されている場合には、TRIGgerサブシステムは WTG( Waiting For Trigger)状態になります。 TRIGger:SEQuence3 または *TRG コマンドによってソフトウェアトリガが与えられると、測定動作が実行されます。動作が完了すると、TRIGgerサブシステムは再び IDLE 状態に戻ります。トリガを実行しないで ABORt または同等なコマンドが送信されると、測定動作はキャンセルされてTRIGgerサブシステムは IDLE 状態に戻ります。

ABORt コマンドと IEEE488.1 sdc/dcl コマンドは現在進行中の測定動作を中止します。既に取得済みの測定データを無効化する機能はありません。一方、 *RST と*RCL 共通コマンドは測定動作を中止するだけではなく、取得した測定データを無効化します。 *RST;:FETC:VOLT? コマンドを送信しても、 FETCh クエリで問い合わせが可能な測定データも、新規測定の予定も無いためにエラーになります。

MEASure(またはREAD) コマンドと FETCh コマンドの違いは、 MEASure コマンドが新規測定を開始して測定データを問い合わせするのに対して、 FETCh コマンドは新規測定をしないで測定データを問い合わせます。有効な測定項目は、 MEASure と FETCh とでは完全に同じで、出力モードの選択状況に依存します。

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付録

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