チュートリアル
シーケンス動作
シーケンスは、プログラムとステップで構成されます。プログラムは、ステップの集合体です。ステップは、ステップ1から1つずつ昇順に実行されます。最後のステップが終了すると、そのプログラムの実行が1回終了したことになります。シーケンス終了時の設定値は、最終ステップの設定値になります。
PLZ-5Wでは、最大30個のプログラムが作成できます。すべてのプログラムで使用できる合計ステップ数は最大で10000個です。シーケンスの機能の概要については、付属CD-ROMに収録されているユーザーズマニュアルを参照してください。
ここでは、定電流(CC)モードにおいて下記の条件で動作するシーケンスを作成します。
動作条件
動作モード:CC
プログラム1
プログラム名:PROGRAM1、ループ回数:2
実行 | 負荷設定値 | 実行時間 | ロード | 遷移方法 | トリガ出力 |
---|---|---|---|---|---|
ステップ1 | 8 A | 10秒 | On | Ramp | None |
ステップ2 | 6 A | 12秒 | On | Immediate | None |
ステップ3 | 0 A | 7秒 | Off | - | None |
ステップ4 | 3 A | 15秒 | On | Immediate | Trig Out |
解説
プログラム1はステップ1~4を実行して、1回目の実行を終了します。もう1度プログラム1が実行されると、このシーケンスは終了です。
このシーケンスをグラフで表すと、次のようになります。
*1: ステップ1の LoadでRampを設定してプログラムを繰り返した場合、ステップ1の開始電流値は常に0Aになります。
シーケンス作成コマンド例
:FUNC CC | '動作モードをCCモードに設定 |
:PROG:CRE "/PROGRAM1" | 'PROGRAM1を作成 |
:PROG "/PROGRAM1" | 'PROGRAM1を選択 |
:PROG:LOOP 2 | 'PROGRAM1のループ回数を2に設定 |
:PROG:STEPS:COUN 4 | 'PROGRAM1のステップ数を4に設定 |
:PROG:STEP1:LEV 8A | 'ステップ1の設定値を8 Aに設定 |
:PROG:STEP1:DWEL 10S | 'ステップ1の実行時間を10秒に設定 |
:PROG:STEP1:INP ON | 'ステップ1をロードオンに設定 |
:PROG:STEP1:TRAN RAMP | 'ステップ1をRamp遷移に設定 |
:PROG:STEP2:LEV 6A | 'ステップ2の設定値を6 Aに設定 |
:PROG:STEP2:DWEL 12S | 'ステップ2の実行時間を12秒に設定 |
:PROG:STEP2:INP ON | 'ステップ2をロードオンに設定 |
:PROG:STEP2:TRAN IMM | 'ステップ2をImmediate遷移に設定 |
:PROG:STEP3:DWEL 7S | 'ステップ3の実行時間を7秒に設定 |
:PROG:STEP3:INP OFF | 'ステップ3をロードオフに設定 |
:PROG:STEP4:LEV 3A | 'ステップ4の設定値を3 Aに設定 |
:PROG:STEP4:DWEL 15S | 'ステップ4の実行時間を15秒に設定 |
:PROG:STEP4:INP ON | 'ステップ4をロードオンに設定 |
:PROG:STEP4:TRAN IMM | 'ステップ4をImmediate遷移に設定 |
:PROG:STEP4:TRIG:GEN TRIGOUT | 'ステップ4のトリガ出力をTrigger outに設定 |
シーケンスの実行と停止
下記のコマンドを送信すると、即時にシーケンスが実行されます。
:TRIG:TRAN:SOUR IMM | 'トリガソースをIMMに設定 |
:PROG "/PROGRAM1" | 'PROGRAM1を選択 |
:INIT:TRAN:PROG | 'PROGRAM1を開始 |
途中でシーケンスを停止する場合は、下記のコマンドを送信します。
トリガを使用したシーケンスの実行
シーケンス動作をトリガで同期させることができます。
たとえば、PROGRAM1をソフトウェアトリガで実行させる場合は、トリガソースを BUS に設定します。
:TRIG:TRAN:SOUR BUS | 'トリガソースをBUSに設定 |
:PROG "/PROGRAM1" | 'PROGRAM1を選択 |
:INIT:TRAN:PROG | 'シーケンス実行のトリガ待ち状態に移行 |
*TRG | 'ソフトウェアトリガを送信、シーケンス開始 |
:INIT:TRAN:PROGはTRIGgerサブシステムをIDLE状態からトリガ機能開始(Initiated)状態にします。
このとき:TRIG:TRAN:SOURがIMMであれば、選択されているプログラムですぐにシーケンスが実行されます。
:TRIG:TRAN:SOURがIMM以外であればトリガ待ち(WTG)状態になり、:TRIG:TRAN:SOURで設定したソースの信号を送信すると、選択されているプログラムでシーケンスが実行されます。
シーケンス実行後、またはシーケンスを停止した場合は、TRIGgerサブシステムはIDLE状態に戻ります。
関連情報