マルチチャンネル(VMCB)
セットアップ
マルチチャンネル(VMCB)を使用すると、パソコン1台と数台のPWXシリーズ(31台まで)を接続して、仮想的な多チャンネル電源システムが構築できます。複数台のPWXシリーズの制御タイミングを合わせる場合や通信ポートの節約に有効です。
N5700/N8700用またはDCS用のエミュレーションを使用している場合には、マルチチャンネルを使用できません。
マルチチャンネル接続
1台をマスタ機(VMCBマスタ機)としてパソコンに接続(LAN/ RS232C/ USB)します。ほかのPWXシリーズはスレーブ機(VMCBスレーブ機)として、マスタ機とスイッチングハブまたはブロードバンドルータを使用してLANインターフェースで接続します。LAN接続には、標準のLANケーブル(カテゴリ5、ストレート)を使用してください。
マルチチャンネル設定
マスタ機は、パソコンとの接続の設定、チャンネルの設定、ドメインの設定をします。
スレーブ機は、LAN設定、チャンネルの設定、ドメインの設定をします。
同じドメイン番号に設定された本製品が、1つのVMCBネットワークとしてマルチチャンネル動作します。1つのVMCBネットワークに接続できるPWXシリーズは31台までです。
マルチチャンネルは、Multicast DNS (mDNS)を使用します。組み込みウェブサイトのLAN CONFIGページにある「Hostname / Service Name」の「Enable mDNS」がチェックされている必要があります。デフォルトはチェックされています。
NOTE
VMCBネットワーク内のチャンネル0がマスタ機、チャンネル0以外がスレーブ機になります。VMCBネットワーク内で同じチャンネルを設定しないでください。 |
LAN設定(CF21:コマンド言語設定、CF22:リモートコントロール時のエミュレーション設定、CF24:VMCBドメイン番号、CF41:IPアドレス割り当て方法)はすべて同じにしてください。 |
スレーブ機の設定
通常はDHCPをON、AUTO IPをONにしてIPアドレスを自動設定します。LAN設定の詳細についてはインターフェースのセットアップ:LANを参照してください。
1つのVMCBネットワーク内のコンフィグ設定(CF21:コマンド言語設定、CF22:リモートコントロール時のエミュレーション設定、CF24:VMCBドメイン番号、CF41:IPアドレス割り当て方法)はすべて同じにしてください。
1. CONFIG設定のIPアドレス割り当て方法で、DHCPオン、AUTO IPオン、MANUALオフ(CF41 : 110)に設定します。
マニュアルでIPアドレスを設定する場合には、001を選択してIPアドレス(CF42~CF45)を設定してください。詳細については、ユーザーズマニュアルを参照してください。
2. CONFIG設定でドメイン番号(CF24)を設定します。
同じドメイン番号を設定したPWXシリーズがマルチチャンネル動作をします。0以外を設定してください。
3. CONFIG設定でチャンネル番号(CF25)を選択します。
チャンネル番号は1つのVMCBネットワークで重ならないように設定してください。スレーブ機は0以外を設定します。
4. 電源をオフにします。
マスタ機の設定
1. パソコンとの接続の設定をします。
パソコンとの接続設定についてはインターフェースのセットアップを参照してください。
2. CONFIG設定でドメイン番号(CF24)を設定します。
同じドメイン番号を設定したPWXシリーズがマルチチャンネル動作をします。0以外を設定してください。
3. CONFIG設定でチャンネル番号(CF25 : 0)を選択します。
マスタ機なので0にします。
4. 電源をオフにします。
注意
LANインターフェースは、ネットワーク上の任意の場所からアクセスが可能です。必要がある場合には、セキュリティの設定をしてください。セキュリティは、パスワード保護やIPアドレスによるホスト制限で設定できます。 ->設定方法 |
電源のオン
スレーブ機を先に電源オンにしてから、マスタ機の電源をオンにしてください。ラックシステムの場合には、すべて同時に電源オンにしてください。先にマスタ機を電源オンにすると、スレーブ機が正しく認識されません。
スレーブ機は電源をオンにすると、すべてのLEDが点灯後「定格電流と定格電圧」→「ファームウェアバージョン」→「ビルド番号」がそれぞれ1秒間表示されて「I-F SLAV」表示で待機状態になります。マスタ機からスレーブ指定を受けると操作待ち状態になります。
スレーブ機の「I-F SLAV」表示が消えない場合は、スレーブ機として認識されていません。コンフィグ項目(CF21、CF22、CF24、CF25、CF41)と、LANの接続を確認してください。コンフィグ項目を変更した場合には、本製品を再起動してください。
マスタ機は電源をオンにすると、すべてのLEDが点灯後「定格電流と定格電圧」→「ファームウェアバージョン」→「ビルド番号」がそれぞれ1秒間表示されて「FIND CH」表示の状態でスレーブ機の検索をします。検索が終了すると操作待ち状態になります。
マルチチャンネル構成の確認
マルチチャンネル構成の確認は、INSTrument:CATalog?クエリを使用します。パネルからは確認できません。