交流電源 PCR-LE2シリーズ
基本編
本製品の出力設定値に制限を設けて、誤操作によって負荷に損傷を与えるのを防止する機能です。リミット値を負荷の条件に合わせて、事前に設定できます。
電圧リミット値を設定すると、リミット範囲外の電圧は設定できなくなります。0 Vだけは範囲外でもテンキーを使用して設定できます。
ロワーリミット値 ≦ アッパーリミット値になるように設定してください。
AC+DCモードでは、ACのリミット値とDCのリミット値があります。エントリーエリアのタイトルを確認して設定してください。
単相3線出力時と三相出力時は、相電圧で設定してください。
電圧アッパーリミット値を設定する場合には、V > VMAX(F4)を押して、リミット値を設定します。
電圧ロワーリミット値を設定する場合には、V> VMIN(F5)を押して、リミット値を設定します。
項目 |
タイトル |
説明 |
有効モード |
VMAX |
ACVoltMax AC PhaseVoltMax*1 |
交流電圧のアッパーリミット値(0.0 V~305.0 V)の設定 |
AC、AC+DC |
DCVoltMax DC PhaseVoltMax*1 |
直流電圧のアッパーリミット値(-431.0 V~431.0 V)の設定 |
DC、AC+DC |
|
VMIN |
ACVoltMin AC PhaseVoltMin*1 |
交流電圧のロワーリミット値(0.0 V~305.0 V)の設定 |
AC、AC+DC |
DCVoltMin DC PhaseVoltMin*1 |
直流電圧のロワーリミット値(-431.0 V~431.0 V)の設定 |
DC、AC+DC |
*1. 単相3線出力時と三相出力時の表示
本製品の出力設定値に制限を設けて、誤操作によって負荷に損傷を与えるのを防止する機能です。リミット値を負荷の条件に合わせて、事前に設定できます。
周波数リミット値を設定するとリミット範囲外の周波数は設定できなくなります。
DCモードでは設定できません。
ロワーリミット値 ≦ アッパーリミット値になるように設定してください。
周波数アッパーリミット値を設定する場合には、F > FMAX(F4)を押して、リミット値を設定します。
周波数ロワーリミット値を設定する場合には、F > FMIN(F5)を押して、リミット値を設定します。
項目 |
タイトル |
説明 |
有効モード |
FMAX |
FreqMax |
周波数のアッパーリミット値(1.00 Hz~999.9 Hz)の設定 |
AC、AC+DC |
FMIN |
FreqMin |
周波数のロワーリミット値(1.00 Hz~999.9 Hz)の設定 |
負荷に流れる電流を制限する機能で、電流リミット、+(正)ピーク電流リミット、-(負)ピーク電流リミットがあります。リミット値を負荷の条件に合わせて、設定できます。
出力電流の上限値を設定できます。下限値は設定できません。
出力電流の実効値で作動します。
電流リミット値を超えたときの動作(出力をオフする/出力をオフしない)を設定できます。
実際の電流リミットは、定格電流値の1.1倍または電流リミット設定値の、どちらか小さい値で動作します。定格電流値は、出力条件(出力電圧、周波数、負荷力率)によって自動的にディレーティングされます。定格電流値の詳細については、「出力と負荷について」参照してください。
• +ピーク電流リミットと-ピーク電流リミット
+(正)極性と-(負)極性のピーク電流リミットを設定できます。
出力電流のピーク値を瞬時に制限します。
ピーク電流値がピーク電流リミット値に近づく(94 %程度)とIPK.LIMが表示されます。
ピーク電流リミットを設定しても、LOADレベルメータのフルスケールは変化しません。
項目 |
タイトル |
説明 |
|
ILIMIT |
|
ILimit |
電流リミット値(定格電流×0.1~定格電流×1.1)の設定 |
U*1 |
U ILimit |
U相の電流リミット値(定格電流×0.1~定格電流×1.1)の設定 |
|
V*1 |
V ILimit |
V相の電流リミット値(定格電流×0.1~定格電流×1.1)の設定 |
|
W*2 |
W ILimit |
W相の電流リミット値(定格電流×0.1~定格電流×1.1)の設定 |
|
+IPKMAX |
|
+IPKLimit |
+ピーク電流リミット値(定格電流×0.1~定格電流×4.4)の設定 |
U*1 |
U +IPKLimit |
U相の+ピーク電流リミット値(定格電流×0.1~定格電流×4.4)の設定 |
|
V*1 |
V +IPKLimit |
V相の+ピーク電流リミット値(定格電流×0.1~定格電流×4.4)の設定 |
|
W*2 |
W +IPKLimit |
W相の+ピーク電流リミット値(定格電流×0.1~定格電流×4.4)の設定 |
|
-IPKMAX |
|
-IPKLimit |
-ピーク電流リミット値(定格電流×0.1~定格電流×4.4)の設定 |
U*1 |
U -IPKLimit |
U相の-ピーク電流リミット値(定格電流×0.1~定格電流×4.4)の設定 |
|
V*1 |
V -IPKLimit |
V相の-ピーク電流リミット値(定格電流×0.1~定格電流×4.4)の設定 |
|
W*2 |
W -IPKLimit |
W相の-ピーク電流リミット値(定格電流×0.1~定格電流×4.4)の設定 |
*1. 単相3線出力時と三相出力時のみ
*2. 三相出力時のみ
|
出力モード |
設定値 |
|||||||||
PCR6000LE2 |
PCR9000LE2 |
PCR12000LE2 |
PCR18000LE2 |
PCR27000LE2 |
|||||||
単相出力 |
単相3線出力 三相出力 |
単相出力 |
単相3線出力 三相出力 |
単相出力 |
単相3線出力 三相出力 |
単相出力 |
単相3線出力 三相出力 |
単相出力 |
単相3線出力 三相出力 |
||
電流リミット*1 |
AC |
6.00 A~66.00 A |
2.00 A~22.00 A |
9.00 A~99.00 A |
3.00 A~33.00 A |
12.00 A~132.0 A |
4.00 A~44.00 A |
18.00 A~198.0 A |
6.00 A~66.00 A |
27.00 A~297.0 A |
9.00 A~99.00 A |
DC*2、AC+DC |
4.20 A~46.20 A |
1.40 A~15.40 A |
6.30 A~69.30 A |
2.10 A~23.10 A |
8.40 A~92.40 A |
2.80 A~30.80 A |
12.60 A~138.6 A |
4.20 A~46.20 A |
18.90 A~207.9 A |
6.30 A~69.30 A |
|
+ピーク電流リミット*3 |
すべて |
6.00 A~264.0 A |
2.00 A~88.00 A |
9.00 A~396.0 A |
3.00 A~132.0 A |
12.00 A~528.0 A |
4.00 A~176.0 A |
18.00 A~792.0 A |
6.00 A~264.0 A |
27.00 A~1188 A |
9.00 A~396.0 A |
-ピーク電流リミット*3 |
すべて |
-6.00 A~-264.0 A |
-2.00 A~-88.00 A |
-9.00 A~-396.0 A |
-3.00 A~-132.0 A |
-12.00 A~-528.0 A |
-4.00 A~-176.0 A |
-18.00 A~-792.0 A |
-6.00 A~-264.0 A |
-27.00 A~-1188 A |
-9.00 A~-396.0 A |
*1. 実際に供給できる電流値は、定格電流の1.1倍または電流リミット設定値のどちらか小さい値に制限されます。
「定格出力電流特性(ディレーティング)」を参照してください。
*3. 実際に供給できる電流値は、最大ピーク電流またはピーク電流リミット設定値のどちらか小さい値に制限されます。
最大ピーク電流については、「出力ACモード(AC実効値)」を参照してください。
電流リミット値を越える電流が流れたときの動作(出力をオフするかどうか)を設定できます。ACモードでは、電流リミット値を超えて出力がオフになるまでの時間を設定できます。
電流リミット機能は電流の実効値で作動します。
動作:出力をオフする(ENABLE)
• リミット値を越えていない場合
• リミット値を超えた場合
ACモードではトリップタイム設定時間経過後に出力オフ
DCモードとAC+DCモードは1 秒後に出力オフ
測定時間の設定によって、応答にディレイがあります。作動後約120秒間(Busy状態)は、出力をオンにできません。
動作:出力をオフしない(DISABLE)
• リミット値を越えていない場合
• リミット値を超えた場合
リミット値を超えないように出力電圧制御
I > TRIP(F2)を押して、リミット値を超えたときの動作を選択します。
項目 |
タイトル |
説明 |
ENABLE |
Trip |
電流リミット値を超える電流が一定時間を超えて流れた場合に、OVERLOAD点灯、出力をオフ、アラーム(ALM-06: OVERLOAD)発生 |
DISABLE |
電流リミット範囲内の場合はTRIP DIS.点灯。 電流リミット値を超える電流が流れた場合は、OVERLOAD点灯、電流リミット値を超えないように出力電圧を制御*1する
|
*1. RMS値を計算しています。計測処理時間と電圧分解能の関係で、電流リミット値を数秒間超える場合があります。制御中は、電流値が振動(増減)する場合があります。
ENABLE(出力をオフ)を選択した場合
アラームはALM CLR(SHIFT + CLR)キーで解除できます。
注意
故障の原因となります。オーバーロードが発生した場合には、必ずその原因を取り除いてから、OUTPUTキー を押してください。
DISABLE(出力をオフしない)を選択した場合
出力をオフしない(DISABLE)を選択すると、以下の実行が不可になります。
ソフトスタートオン(ライズタイムの設定)
電源ライン異常シミュレーションの実行
シーケンスの実行
コンペンセーション機能のソフトウェアセンシングとレギュレーションアジャストの使用
ーNoteー
負荷短絡や極端な過負荷の場合や、出力電圧制御中の出力電圧と出力電圧設定値の差が大きい(出力電圧設定値が高い)場合には、内部半導体保護(OCP)が作動して出力電圧波形が歪んだり、アラーム(ALM-03: OCP)になる場合があります。
電流リミット値を超えて出力がオフになるまでの時間(トリップタイム)の設定
ACモードの場合に、電流リミット値を超えたときの出力がオフになるまでの時間(設定時間を、電流リミットを超えた状態が連続して経過)を設定できます。突入電流などの短時間の過負荷に対して、出力をオフにしたくない場合に有効です。
電圧設定が10 V(Lレンジ)/20 V(Hレンジ)以下の場合には、トリップタイムを4 s以上に設定しても3 sで出力がオフになります。
過負荷の状態や本製品内部電流測定のタイミングによってオフになるまでの時間が長くなる場合があります。測定時間の設定によって、応答にディレイがあります。
LOADレベルメータのフルスケールバーが点灯し続けている場合には、本製品の内部温度が上昇しています。繰り返し過負荷になると、オフになるまでの時間が短くなる場合があります。
I > TRIP(F2) > TRIP TIM(F5)を押して、オフになるまでの時間を設定します。
項目 |
タイトル |
説明 |
有効モード |
TRIP TIM |
Trip Time |
電流リミット値を超えて出力がオフになるまでの時間(0 s~10 s)の設定 |
AC |
交流電源 PCR-LE2シリーズ
基本編