SCPIでのパラメータのフォーマットは、IEEE 488.2の中で定義されたプログラム・パラメータ・フォーマットに由来します。
本製品で扱うプログラムデータの表現形式を以下に示します。
非数値パラメータ
文字列データは、一連のASCII文字(20H~7EH)が要求される場合に使用します。
文字列は、シングルクォーテーション(' ')やダブルクォーテーション(" ")で囲んでください。なお、開始引用符と終了引用符は一致していなければなりません。
DISPlay:AMMeter "AVG"
引用符を文字列として使用したいときには、文字を間に挟まないで引用符を2個入力します。
キャラクタデータは、プログラム設定に限られた数の値しかない場合に使用します。レスポンスは省略形で返します。
TRIGger:SOURce {BUS|IMMediate}
ブールデータは、1か0、またはONかOFFのどれかの状態を表します。レスポンスは1、0で返します。
OUTPut {ON|OFF|1|0}
数値パラメータ
整数を表します。
「IEEE規格488.2プログラマブル計測器の標準デジタルインターフェース」で詳細に説明されています。
実数(浮動小数)を表します。
「IEEE規格488.2 プログラマブル計測器の標準デジタルインターフェース」で詳細に説明されています。
実数(指数)を表します。
「IEEE規格488.2プログラマブル計測器の標準デジタルインターフェース」で詳細に説明されています。
レスポンスデータで380が返される場合は、+3.80000E+02が返されます。小数点以下は5桁です。
NRfは、NR1、NR2、NR3を含めた総称です。
小数点、オプション符号、測定単位などの数値パラメータです。
数値表現としての記述は、NRfと同じです。
MINimum(最小値)、MAXimum(最大値)など、特定の値を宣言するための代替選択肢が提供されています。
数値パラメータでは、V、A、Wなどの単位も一緒に使用できます。
設定できない値が入力された場合には、装置がその値に最も近い数値に丸めます。
SOURce:FREQuency 1100
PCR-Mシリーズでは周波数の設定値は40~500なので、FREQ?に対して40を返します。
PCR-LE/ PCR-LE2/ PCR-WEシリーズでは周波数の設定値は1~999.9なので、FREQ?に対して999.9を返します。
代替選択肢
パラメータがNumericの時に代替選択肢として、本製品では最小値(MINimum)、最大値(MAXimum)が定義されています。
以下の例では、過電流保護値を最低値に設定します。
SOURce:CURRent MINimum
クエリを使用してほとんどのパラメータについて最低値または最高値を問い合わせることもできます。
SOURce:CURRent? MAX
SOURce:CURRent? MIN
相指定(チャンネルリスト)
パラメータがNumericの時に、本製品では設定する相を指定する(@chanlist)が定義されています。相指定しているコマンドにはVOLT:COUPの設定は無効です。
U相が(@1)、V相が(@2)、W相が(@3)です。
以下の例では、V相を130 Vに設定します。
VOLT 130,(@2)
複数の相を一度に指定できます。U相(@1)とW(@3)相を指定する場合
VOLT 130, (@1,3)
全ての相(@1~@3)を指定する場合
VOLT 130, (@1:3)
測定単位
デフォルトの測定単位には、次のようなものがあります。測定単位を入力しなくても、コマンドは受け付けられます。
·V(電圧) | ·A(電流) | ·W(電力) | ·VA(皮相電力) |
·VAR(無効電力) | ·DEG(度) | ·HZ(周波数) | ·H(リアクタンス) |
·HR(時間) | ·MIN(分) | ·S(秒) |
サポートされているオプション符号には、次のようなものがあります。オプション符号を使用する場合には、測定単位を入力してください。
·M(ミリ) ·K(キロ) ·U(マイクロ)
NOTE
· SI単位系では、単位記号に小文字が含まれています。IEEE規格では大文字を指定しています。SCPIは大文字小文字を区別しません。 |
· 測定単位は入力してもしなくても、受け付けられます。 |
· データに“µ”を記述する場合には、かわりに“U”を使用してください。 |