交流電源 PCR-LE2シリーズ

基本編


保護機能を使用する

ブレーカが作動した場合の対処

本製品は、次のような保護機能を備えています。

入力電圧低下保護 • 過熱保護(OHP)

過負荷保護 • 出力低電圧保護(UVP)

出力過電圧保護(OVP) • 内部半導体保護(OCP)

保護機能が作動すると、アラーム音とともにALARM が表示されて出力がオフになります。

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アラームのクリア

ALM CLR(SHIFT+CLR)キーでアラームクリアして、アラーム発生要因を取り除いてください。

アラームの原因をすべて取り除いても、アラームを解除できない場合には、故障の可能性があります。本製品の使用を中止して、購入先または当社営業所にお問い合わせください。問い合わせのときには、表示されたアラーム番号を知らせてください。

入力電圧低下保護

入力電圧が定格より低くなると入力電圧低下保護が作動してトラブル(AC INPUT LOW)が発生します。本製品の入力電圧を仕様の範囲内にしてください。入力電源配線が長い場合には、電線径を大きくして電圧降下を小さくしてください。

過熱保護(OHP)

内部の温度が異常に高くなると過熱保護が作動してアラーム(ALM-02: OHP)が発生します。電源をオンにしたまま10分ほど待ってください。

10分後にアラームが発生しなくなった場合は、本製品の設置方法に不備があるかダストフィルタの目詰まりが考えられます。

不備がない場合には、本製品の使用を中止して、購入先または当社営業所に修理を依頼してください。

過負荷保護

出力電流が定格電流または電流リミットを超えると、過負荷保護が作動してアラーム(ALM-06: OVERLOAD)が発生します。

逆潮流時は、定格電流の30%または電流リミット設定値の、どちらか小さい値で作動します。

電流リミット値は、設定値を超えたときの動作を設定できます。

出力低電圧保護(UVP)と出力過電圧保護(OVP)

UVPとOVPの判定は電圧モードによって変わります。

ACモード:測定電圧の実効値で判定

DCモード:測定電圧の平均値で判定

AC+DCモード:測定電圧の実効値と平均値の両方で判定

出力低電圧保護(UVP)

測定電圧がUVP設定値未満になって約1秒間継続すると、出力低電圧保護が作動します。アラームが発生(ALM-07: UVP)します。

出力過電圧保護(OVP)

測定電圧がOVP設定値を超えて約1秒間継続すると、出力過電圧保護が作動します。アラームが発生(ALM-00: OVP)します。

UVP/OVPの設定

ACモードでは実効値で設定します。DCモードでは、平均値で設定します。

AC+DCモードは実効値で設定します。平均値を設定する場合には、いったんDCモードにして平均値を設定した後に、AC+DCモードに戻します。

単相3線出力時と三相出力時は、相電圧で設定してください。

OVPを設定する場合には、V > PROTECT(F3) >OVP(F1)を押します。

UVPを設定する場合には、V > PROTECT(F3) > UVP(F2)を押します。

PROTECT(F3) が表示されない場合には、表示されるまでF6キーを押してください。

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項目

タイトル

説明

OVP

OVP

OVP値(AC/AC+DCモード:0.0 V~474.1 V、DCモード:-474.1 V~474.1 V)の設定

UVP

UVP

UVP値(AC/AC+DCモード:0.0 V~474.1 V、DCモード:-474.1 V~474.1 V)の設定

 

内部半導体保護(OCP)

内部半導体保護は、本製品内部の半導体を保護する機能です。本製品の使用方法がその仕様に適合していれば、内部半導体保護は作動しません。突入電流などの一時的な過電流が発生した場合には、内部半導体保護が作動します。内部半導体保護の作動が一定時間続くとアラーム(ALM-03: OCP)が発生します。

内部半導体保護が作動すると出力電圧波形が歪みます。

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ACモードの場合には、内部半導体保護が作動してアラームになるまでの時間を設定できます。設定時間を内部半導体保護回路が作動した状態が連続して経過するまでアラームになりません。突入電流などの短時間の過負荷に対して、アラームにしたくない場合に有効です。

DCモードとAC+DCモードの場合には内部半導体保護が作動して1秒後にアラームになります。

内部半導体保護作動中に「OCP」が表示されます。

アラーム作動後約120秒間(Busy状態)は、出力をオンにできません。「Busy」表示が消灯するまでの時間が表示されます。

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繰り返し内部半導体保護が作動すると、本製品の故障の原因になります。

アラームになるまでの時間の設定

ACモードの場合に、内部半導体保護が作動してアラームになるまでの時間(設定時間を、内部半導体保護作動状態が連続して経過)を設定できます。

過負荷の状態によってアラームになるまでの時間が長くなる場合があります。

アラームにならなくても、出力電圧波形は内部半導体保護回路が作動しているために歪んでいます。

I > 1/2(F6) > OCP TIM(F1)を押して、アラームになるまでの時間を設定します。

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項目

タイトル

説明

有効モード

OCPTIM

OCPTIME

内部半導体保護機能が作動してアラームになるまでの時間(1 s~3 s)の設定

AC

アラーム時の対処方法

アラームになった場合には下記の対処方法を実施して、120秒以上経過してから運転を再開してください。

内部半導体保護が作動した原因が取り除かれれば自動的に解除されます。内部半導体保護が作動しているうちはALM CLR(SHIFT + CLR)キーを押してもアラームは解除されません。

線形負荷の場合

定格電流を超えている場合には負荷を低減する。

力率が低い場合には(遅れ位相)、進相コンデンサ等で力率を上げる。

力率が低い場合には(進み位相)、負荷にダミー抵抗を並列に付けて力率を上げる。

コンデンサインプット型整流負荷の場合

ピーク電流を低減する。

突入電流が流れる負荷の場合

突入電流を低減する。

ソフトスタート(電圧上昇時間)を設定する。

保護機能を使用する(続き)

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ブレーカが作動した場合の対処

ブレーカはPCR12000LE2/ PCR18000LE2/ 27000LE2にはありません。

PCR6000LE2とPCR9000LE2は、前面パネルの1つのアウトレットから10 A以上の出力電流を流すと、アウトレットの横にあるブレーカが作動して、アウトレットからの出力が遮断することがあります。ブレーカが作動すると、前方に赤いボタン(ブレーカボタン)が飛び出します。

2つの アウトレットと後面パネルの OUTPUT 端子台から流すことができる出力電流合計値は定格出力電流までです。定格値を超えると過負荷保護機能が作動します。

例えばPCR6000LE2で単相出力の場合には、出力電圧 100 V(100 Vレンジ)、負荷力率 1、出力周波数 50 Hz の時に、2つのアウトレットに 10 Aずつ出力電流を流すと、OUTPUT 端子台の最大出力電流は40 A(=60-10-10)になります。

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1

POWERスイッチをオフにします。

2

ブレーカボタンを押し込みます。

3

出力電流が10 A以下になるように、負荷を調整します。

4

POWERスイッチをオンにします。

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