交流電源 PCR-LEシリーズ
応用編
ACモードで使用している場合に、PCR-LEシリーズの出力を停電、電圧降下(ディップ)、電圧上昇(ポップ)させて電源ラインの異常シミュレーションができます。
スイッチング電源や電子機器などの試験に使用することができます。
電源ライン異常シミュレーションでは、サイン波形が出力されます。特殊波形が設定されていても、電源ライン異常シミュレーションを実行するとサイン波形になります。
出力がオンでもオフでも設定できます。
パラメータ |
説明 |
T1 |
電圧変動開始時間または電圧変動開始位相 波形がプラスゼロクロスから(ゼロ軸と交わってから)電圧上昇、電圧下降などの電圧変動が始まるまでの時間または位相 |
T2 |
スロープ時間1 ポップ:電圧をどれだけの時間をかけてポップ電圧まで上昇させるか ディップ:電圧をどれだけの時間をかけてディップ電圧まで下降させるか |
T3 |
電圧変動時間 ポップ:上がりきった電圧(ポップ電圧)をどれだけの時間持続させるか ディップ:下がりきった電圧(ディップ電圧)をどれだけの時間持続させるか |
T4 |
スロープ時間2 ポップ:電圧をどれだけの時間をかけてポップ電圧からT5における電圧まで下降させるか ディップ:電圧をどれだけの時間をかけてディップ電圧からT5における電圧まで上昇させるか |
T5 |
復帰時間または復帰サイクル 電圧上昇、または電圧下降が終了し復帰した状態をどれだけの時間持続させるか、または現在の周波数で何サイクル持続させるか |
T3VOLT |
変動電圧 ポップ:上がりきった電圧(ポップ電圧) ディップ:下がりきった電圧(ディップ電圧) |
LOOP |
繰り返し回数T1からT5までを何回繰り返すか。 |
ー解説ー
電圧変動開始極性
電圧変動開始極性(POL)を切り換えると、T1の基準となるゼロクロス(電圧がゼロとなる時刻)を「プラスゼロクロス」と「マイナスゼロクロス」のどちらかに設定できます。この機能を使用すると位相が180゜変化します。PCR-LEシリーズのOUTPUT端子台のNを基準にしたLの出力電圧(波形)を示します。
シンクロ機能を使用している場合には設定できません。
以下の状態では、電源ライン異常シミュレーションは実行できません。
• DCモード、AC+DCモード
• 電流リミット値を超えたときの動作がDISABLE
• コンペンセーション機能でレギュレーションアジャストまたはソフトセンシングを使用している
• 現在の設定がLレンジでT3 VOLTの設定が範囲外のとき
• T3 VOLTの設定が電圧リミット値の範囲外のとき
1 |
OUTPUTキーを押して、出力をオンにします。 |
2 |
SIM > RUN(F1)を押して電源ライン異常シミュレーションを実行します。 実行中にSTOP(F1)キーを押すと、シミュレーションが停止します。
|
ステータス信号は、T2、T3、T4の期間(T2=T4=0の場合にはT3期間)だけ出力します。
単相3線出力または三相出力時(オプション)は、U相に出力します。
本製品後面にあるSEQ STAT OUT端子(BNCコネクタ)に信号が出力されます。信号の極性はコンフィグで設定します。“H”はほぼ5 V、“L”はほぼ0 Vです。
BNCコネクタは、本製品のINPUT端子台、OUTPUT端子台とは絶縁されています。ただしTRIG、STATの各信号のコモンラインは本製品内部で共有されているので絶縁されていません。またSLOTの内部回路とも絶縁されていません。ステータス信号出力と実際の出力の変化にはわずかに(100 μs程度)時間差があります。
ステータス信号は、各パラメータの設定を変更した場合に出力されるときがあります。
CONFIG (SHIFT+OPR MODE) > SIG.I/O(F3)を押して、ステータス出力の極性を設定します。ステータス信号の極性の設定は、シーケンス機能と共通です。
項目 |
説明 |
|
STAT.OUT |
NEGA |
ステータス出力をLOWに設定 |
POSI |
ステータス出力をHIGHに設定 |
交流電源 PCR-LEシリーズ
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