交流電源 PCR-LE2シリーズ
応用編
オプションのアナログ信号インターフェースボード(EX05-PCR-LE/ EX06-PCR-LE)をスロット3に装着すると、外部アナログ信号で以下の制御ができます。
取り付けについては、EX05-PCR-LE/ EX06-PCR-LEのセットアップガイドを参照してください。
ーNoteー
PCR6000LE2とPCR9000LE2は単相出力のみ有効です。
• 直流信号で、出力する交流波形の電圧値を可変する(EX06-PCR-LEのみ)
出力のオン/オフ、シーケンスの実行/停止、アラームクリア、強制出力オフができます。
出力状態、アラーム発生状態、Busy状態、電流ピークリミットとオーバーロードの状態がモニタリングできます。
注意
外部アナログ信号によるコントロール時は、電圧リミット値は設定できません。誤って過大な外部電圧を入力すると、負荷を損傷する恐れがあります。
アナログ信号インターフェースボードの名称と機能
名称 |
説明 |
INPUT |
外部信号を入力するBNC端子 INPUT端子とPCR-LE2本体出力は電気的に絶縁されています。 |
GAIN |
ゲイン(電圧増幅率)微調整用可変抵抗器 |
OFFSET |
オフセット微調整用可変抵抗器 |
AUX |
オプション用接続コネクタ |
SIGNAL I/O |
外部接点で制御するコネクタ |
入力した波形をそのまま増幅してパワーアンプとして使用したり、PCR-LE2シリーズの機能に外部信号を加算して使用したりできます。
■ 信号源の選択
どの信号源を使用してPCR-LE2シリーズを制御するか選択します。
• 内部信号源(INT)
PCR-LE2シリーズ本体の信号源を使用して出力します。外部信号源を使用しません。
• 内部信号源と外部信号源(INT+EXT)
PCR-LE2シリーズ本体の信号源に、外部からの波形信号を加算して出力します。
INT+EXTを選択すると、PCR-LE2シリーズが以下の設定に変更されます。
電流リミット値を超えたときの動作:出力をオフ
内部Vcc:固定(前回設定した値)
コンペンセーション機能:使用しない(ソフトセンシングまたはレギュレーションアジャスト選択時)
相電圧表示(単相3線出力時と三相出力時のみ)
• 外部信号源(EXT)
外部からの信号(0 Vrms~1.5 Vrms)を増幅して、Lレンジ選択時は100倍、Hレンジ選択時は200倍の電圧を出力します。
EXTを選択すると、PCR-LE2シリーズが以下の設定に変更されます。
電流リミット値を超えたときの動作:出力をオフ
シンクロ機能:オフ
出力オンオフ位相制御:制御しない
内部Vcc:固定(前回設定した値)
コンペンセーション機能:使用しない(ソフトセンシングまたはレギュレーションアジャスト選択時)
ソフトスタート:オフ
相電圧表示(単相3線出力時と三相出力時のみ)
OTHERS (SHIFT+MEMORY) > EXT SIG(F4) > SOURCE(F1)を押して、信号源を設定します。
項目 |
タイトル |
説明 |
設定できない条件 |
INT |
Signal Source |
内部信号を使用 |
出力オン |
EXT |
外部信号を使用 |
||
INT+EXT |
内部信号と外部信号を使用 |
注意
故障の原因になります。ACモード選択時に直流電圧を出力すると、保護機能が正常に動作しません。直流電圧を出力する場合には、定格電流の70 %以内で使用するか、出力電圧モードをAC+DCに変更してください。
■ 極性の選択
入力した信号の極性をそのまま出力するか、反転して出力するかを選択します。
OTHERS (SHIFT+MEMORY) > EXT SIG(F4) > POL(F2)を押して、極性を設定します。
単相3線出力時と三相出力時では、OTHERS (SHIFT+MEMORY) > EXT SIG(F4) を押した後に、設定する相を選択して、POL(F2)を押します。
項目 |
タイトル |
説明 |
NORM |
Signal Polarity U Signal Polarity*1 V Signal Polarity*1 W Signal Polarity*2 |
入力した信号と同じ極性を出力 |
INVERT |
入力した信号の極性を反転して出力 |
*1. 単相3線出力時と三相出力時の表示
*2. 三相出力時の表示
■ 測定時間の設定(EXTを使用する場合のみ)
外部信号源(EXT)を使用する場合には、測定時間を設定します。
測定時間を設定しないと、出力している電圧値、電流値とパネルに表示されている電圧、電流の測定値にずれが生じる場合があります。
測定時間の設定は、ファームウェアバージョン5.00で追加された機能です。この機能の追加により、ファームウェアバージョン4.99以前に装備されていた想定最低周波数を設定する機能は無くなりました。
■ 内部Vccの設定
信号源の選択でEXTやEXT+INTを選択すると、内部Vccが固定に変更されます。内部Vccの値を「出力したい電圧値(ピーク値)+10 V」に設定してください。
実際の出力電圧より内部Vccの設定値が高いと、保護機能が作動する場合があります。実際の出力電圧より内部Vccの設定値が低いと、数百ミリ秒の応答遅延が発生します。
■ 出力する
信号源、極性、想定最低周波数(EXTのみ)を設定したら、INPUT端子に外部信号を入力します。
1 |
POWERスイッチがオフになっていることを確認します。 |
2 |
INPUT端子に外部信号(発生器)を接続します。 |
3 |
POWERスイッチをオンにします。 |
4 |
RANGE (SHIFT+8)キーを押して、電圧レンジ(L/ H)を設定します。 |
5 |
INPUT端子に外部信号を入力します。 |
6 |
出力をオンにします。 |
■ オフセットの微調整
OFFSET可変抵抗器を調整用ドライバで回すと、オフセットの微調整ができます。INPUT端子を短絡した状態で、出力電圧ができるだけ0 Vdcに近づくように調整します。
■ ゲインの微調整
GAIN可変抵抗器を調整用ドライバで回すと、ゲインの微調整ができます。INPUT端子に1.5 Vacを印加したとき、出力電圧が150 Vac(Lレンジ)になるように調整します。
■ 制限機能
外部信号を使用して出力すると、信号源の選択で変更された設定値のほかに、以下の機能が使用できなくなります。
• 内部信号源+外部信号源を使用している場合
高調波電流解析機能
• 外部信号源を使用している場合
出力電圧、電圧リミット値の設定
周波数、周波数リミット値の設定
メモリーの使用
特殊波形の出力
高調波電流解析機能
電源ライン異常シミュレーション
シーケンス機能
位相差(単相3線出力時と三相出力時のみ)
ACモードまたはAC+DCモード選択時に、外部からの直流信号(0V~10 V)の入力に対して、0 V~150 V(Lレンジ選択時)または0 V~300 V(Hレンジ選択時)の交流電圧を出力します。
■ 信号源の選択
外部信号で、出力する交流電圧を制御するかしないかを選択します。
OTHERS (SHIFT+MEMORY) > VPROG(F4)を押して、外部信号で制御するかしないかを選択します。
項目 |
タイトル |
説明 |
設定できない条件 |
ON |
VProg |
外部信号で交流電圧を制御する |
出力オン ソフトスタート:オン |
OFF |
外部信号で交流電圧を制御しない |
■ 出力する
信号源を設定したら、INPUT端子に外部信号を入力します。
1 |
POWERスイッチがオフになっていることを確認します。 |
2 |
INPUT端子に外部信号(発生器)を接続します。 |
3 |
POWERスイッチをオンにします。 |
4 |
OPR MODE > ACDC(F2)を押して、出力モード(AC/ AC+DC)を設定します。 |
5 |
RANGE (SHIFT+8)キーを押して、電圧レンジ(L/ H)を設定します。 |
6 |
F > FREQ(F1)を押して、周波数(1.0 Hz~999.9 Hz)を設定します。 |
7 |
INPUT端子に外部信号を入力します。 |
8 |
出力をオンにします。 |
■ オフセットとゲインの微調整
OFFSET可変抵抗器を調整用ドライバで回すと、オフセットの微調整ができます。GAIN可変抵抗器を調整用ドライバで回すと、ゲインの微調整ができます。
1 |
INPUT端子に1 Vdcを印加します。 |
2 |
出力をオンにします。 |
3 |
出力電圧が15 Vdc(Lレンジ)になるように、OFFSET可変抵抗器を調整用ドライバで調整します。 |
4 |
INPUT端子に10 Vdcを印加します。 |
5 |
出力電圧が150 Vdc(Lレンジ)になるように、GAIN可変抵抗器を調整用ドライバで調整します。 |
6 |
INPUT端子に1 Vdcを印加して、出力電圧が15 Vdc(Lレンジ)か確認します。ずれている場合には15 Vdc(Lレンジ)になるまで、手順1から手順5を繰り返します。 オフセットとゲインを調整すると、先に調整した値がずれる場合があります。かならず確認してください。 |
7 |
出力をオフにします。 |
■ 制限機能
外部信号を使用して出力すると、以下の機能が使用できなくなります。
出力電圧(交流)設定
ソフトスタート
電源ライン異常シミュレーション
シーケンス機能
警告
感電の恐れがあります。POWERスイッチがオンの状態で、SIGNAL I/Oへ配線しないでください。
■ ピン配列と接続
外部接点で制御するには、SINGNAL I/Oコネクタの6番ピンから10番ピンを使用します。
動作状態をモニタリングするには、SINGNAL I/Oコネクタの1番ピンから5番ピンを使用します。
被覆は9 mm ~ 10 mm の範囲(10 mm を推奨)で取り除いてください。
ピン |
信号名 |
説明 |
1 |
OUTPUT ON STATUS |
出力オンステータス |
2 |
ALARM STATUS |
アラームステータス |
3 |
OOR STATUS |
電流ピークリミットとオーバーロードステータス |
4 |
BUSY STATUS |
Busyステータス |
5 |
STATUS COM |
出力信号のコモン |
6 |
OUTPUT CONTROL |
出力のオン/オフ制御 |
7 |
SEQ RUN |
シーケンス実行/停止制御 |
8 |
ALARM CLR |
アラームクリア |
9 |
SHUT DOWN |
出力の強制オフ |
10 |
COM |
入力信号のコモン |
■ 接続する
ノイズによる出力への影響を軽減するために、2芯シールド線またはツイストペア線を使用して、できるだけ短く接続してください。配線が長くなるとノイズの影響を受けやすくなって、ノイズ対策を施したケーブルを使用しても、正常に動作しないことがあります。
入力するピン間の開放電圧は最大約12 V、短絡電流は最大約8.5 mAです。(内部回路は1.3 kΩで12 Vにプルアップされています。)
外部接点には 12 Vdc、8.5 mA以上の接点定格をもつ部品を使用してください。
ハイレベル入力電圧(HIGH):11 V~12 V、または解放
ローレベル入力電圧(LOW):0 V~1 V
シールド線を使用する場合には、シールドはシャシへ接続してください。
長距離の場合
長距離の配線には小型のリレーを使用して、リレーのコイル側を延長してください。
SIGNAL I/Oコネクタの6番ピンと10番ピンを使用して、外部接点で出力のオン/オフを制御します。
2台以上をフローティングで使用して1つの外部接点で出力をオン/オフするときには、外部接点信号にリレーなどを使用して各機器への信号を絶縁してください。
CONFIG (SHIFT+OPR MODE) > EXT.OPT(F2) > CONTROL(F1) > OUTP ON(F1)を押して、出力オン/オフの外部コントロール論理を設定します。
項目 |
タイトル |
説明 |
DISABLE |
OutputOn Control |
外部接点で出力オンオフコントロールしない |
HIGH |
HIGHで出力オン |
|
LOW |
LOWで出力オン |
外部接点で出力をオフにしている場合には、前面パネルの OUTPUTキーは無効になります。外部接点で出力を制御しない場合には、 論理設定を DISABLEにしてください。
下図はHIGHで出力をオンの場合の、出力オン/オフ制御の例です。
シーケンス実行中は、外部接点による出力のオン/オフ制御は無効です。
SIGNAL I/Oコネクタの7番ピンと10番ピンを使用して、外部接点でシーケンスの実行/停止を制御します。
CONFIG (SHIFT+OPR MODE) > EXT.OPT(F2) > CONTROL(F1) > SEQ RUN(F2)を押して、シーケンス実行/停止の外部コントロール論理を設定します。
項目 |
タイトル |
説明 |
DISABLE |
SeqRun Control |
外部接点でシーケンス実行/停止コントロールしない |
HIGH |
HIGHでシーケンス実行 |
|
LOW |
LOWでシーケンス実行 |
外部接点でシーケンスを停止にしている場合には、前面パネルの RUN(F1)は無効になります。外部接点でシーケンスを制御しない場合には、 論理設定を DISABLEにしてください。
下図はHIGHでシーケンス実行の場合の、シーケンス実行/停止制御の例です。
SIGNAL I/Oコネクタの8番ピンと10番ピンを使用して、外部接点でアラームをクリアします。
CONFIG (SHIFT+OPR MODE) > EXT.OPT(F2) > CONTROL(F1) > ALMCLR(F3)を押して、アラームクリアの外部コントロール論理を設定します。
項目 |
タイトル |
説明 |
DISABLE |
AlarmClr Control |
外部接点でアラームクリアしない |
HIGH |
HIGHでアラームクリア |
|
LOW |
LOWでアラームクリア |
SIGNAL I/Oコネクタの9番ピンと10番ピンを使用して、外部接点で強制的に出力をオフにします。出力のオフは、外部接点による出力オン/オフより優先されます。
強制的に出力をオフにすると、パネルに「TRBL-19 EXT.SHUTDOWN」が表示されます。
CONFIG (SHIFT+OPR MODE) > EXT.OPT(F2) > CONTROL(F1) > SHUTDOWN(F4)を押して、強制出力オフの外部コントロール論理を設定します。
項目 |
タイトル |
説明 |
OPEN |
Shutdown Control |
開放または入力電圧11 V~12 Vで出力オフ |
SHORT |
短絡(入力電圧0 V~1 V)で出力オフ |
復帰について
外部コントロール論理がOPENの場合には、9番10番間を短絡に戻して、POWERスイッチをオンにします。
外部コントロール論理がSHORTの場合には、9番10番間を開放に戻して、POWERスイッチをオンにします。
本製品の以下の動作状態を外部からモニタリングできます。
• 出力(OUTPUT ON STATUS)
SIGNAL I/Oコネクタの1番ピンと5番ピンを使用します。
出力がオン状態の場合にオンになります。
• アラーム発生(ALARM STATUS)
SIGNAL I/Oコネクタの2番ピンと5番ピンを使用します。
アラームまたはトラブルが発生した場合に、オンになります。
• 電流ピークリミットとオーバーロード(OOR STATUS)
SIGNAL I/Oコネクタの3番ピンと5番ピンを使用します。
電流リミット値を超えた場合(OVERLOAD表示)と、ピーク電流の制限中(IPKLIM表示)に、オンになります。
• Busy(BUSY STATUS)
SIGNAL I/Oコネクタの4番ピンと5番ピンを使用します。
出力をオンにできない状態(Busy状態)の場合に、オンになります。
スリープ機能解除時の数秒間
出力電圧レンジ切替時の約0.6秒間
電流リミット値を超えたときの約120秒間
内部半導体保護作動時の約120秒間
出力相切替時の数秒間
単相3線出力の出力方法切替時の数秒間
出力信号はフォトカプラのオープンコレクタ出力(30 Vdc、8 mA max.)です。本製品の内部とは絶縁されています。
最大電圧:30 V
最大電流(Sink):8 mA
■ モニタリングする相の選択(PCR27000LE2のみ)
単相3線出力/三相出力時に電流ピークリミットとオーバーロードモニタリング(OOR STATUS)をする場合には、システムすべてをモニタリングするか、各相をモニタリングするか選択できます。各相をモニタリングする場合には、モニタリングしたい相にアナログ信号インターフェースボードが装着されている必要があります。
CONFIG (SHIFT+OPR MODE) > EXT.OPT(F2) > STAT.OUT(F2) > LMT STAT(F1)を押して、モニタリングする対象を選択します。
項目 |
タイトル |
説明 |
TOTAL |
OOR Status Out |
システムすべてをモニタリングしてステータス出力する |
EACH |
ボードを装着している相をモニタリングしてステータス出力する |
交流電源 PCR-LE2シリーズ
応用編